ガミースマイルは若い頃から気になっている方もいれば、年齢を重ねるにつれて目立ってきたと感じる方もいらっしゃいます。実は、加齢もガミースマイルの原因の一つ、あるいは悪化させる要因となり得るのです。では、なぜ加齢によってガミースマイルが進行することがあるのでしょうか。いくつかの理由が考えられます。まず、顔の皮膚や筋肉のたるみが挙げられます。年齢とともに、私たちの肌のハリや弾力は失われ、皮下組織も減少していきます。これにより、顔全体の皮膚が下垂しやすくなります。特に口周りの筋肉(口輪筋など)の力が弱まると、上唇を支える力が低下し、笑った時に上唇が以前よりも上にめくれ上がりやすくなることがあります。その結果、若い頃はそれほど気にならなかった歯茎の露出が、加齢とともに目立ってくるのです。また、歯周病の進行もガミースマイルを悪化させる一因となり得ます。歯周病は、歯を支える歯槽骨や歯茎に炎症を引き起こす病気です。進行すると歯茎が後退(リセッション)することもありますが、逆に炎症によって歯茎が腫れぼったくなったり、歯がグラグラして位置がずれたりすることで、相対的に歯茎が目立つようになることもあります。特に、もともとガミースマイルの傾向があった方が歯周病になると、症状がより顕著になる可能性があります。さらに、歯の摩耗や喪失も影響します。長年の使用により歯がすり減って短くなったり、歯を失ってしまったりすると、噛み合わせの高さが低くなり、顔の下半分のボリュームが減少することがあります。これに伴い、上唇の位置関係も変化し、歯茎が見えやすくなることも考えられます。加えて、長年の表情の癖が定着し、特定の筋肉が過剰に使われるようになることも、加齢によるガミースマイルの悪化に関与するかもしれません。これらの加齢に伴う変化は、複合的に作用してガミースマイルを目立たせることがあります。もし加齢とともにガミースマイルが気になってきた場合は、歯科医師に相談し、原因に応じた対策を検討することが大切です。適切なケアや治療によって、進行を遅らせたり、見た目を改善したりすることが期待できます。
加齢でガミースマイルが悪化する理由