これは10年以上も前の話になります。私自身、医者というものがとにかく嫌いで特に歯医者は思い切り痛くならないと行かないほどでした。との理由としては、『痛さ』医者は何科にかかっても治療に関して大なり小なり痛みを伴います。特に歯医者のあの歯を削る作業っ!今でこそ麻酔は当たり前、痛みを伴わないというのが常識なようですが、その当時はかなり強行突破で削られていました。そのせいか、あのキーンという独特の音は私の脳裏にトラウマとなって刻み込まれております。ある日、食事の最中に詰めていたものが取れてしまいさらには痛みも発したので、仕方なく歯医者に行こうと、その当時働いていた職場の同僚に評判の良い歯医者を教えてもらいました。「ここ結構いいんだよ。私の親戚の子とかも歯医者嫌いだけど、ここは嫌がらないみたいだよ。」そう聞いて、そこなら痛みはないだろうと、電話をかけると、さっそくその日に見てくれるということで、仕事終わりに向かいました。独特の匂いに包まれ、いざ診察台に!キーン、キーン、キーン…痛いっ!削られている最中、あまりの痛さに口をふさぎかける私。「もう少しで終わるから我慢してっ!」全く手を緩めない先生に私は口を開けたまま首を横に振りました。仕方ないという風にその日の治療を終え、翌日の予約を取り帰宅。次の日再び診察台へ上った瞬間先生の手には注射器が!「麻酔するから。」何か所かに針を刺し、麻酔薬を注入。そして薬がきいてきたころ。「今日は痛くないはずだから動かないでね。」容赦なく削り始める先生。しかし私の頭の中ではあのトラウマと化している音だけで体が硬直してしまいます。そんなことはお構いなしに進めていく先生は、削り終わって、取れてしまった詰め物を詰め、お仕事終了。「これで終了です。」むすっとした顔で終わったことを告げられました。最後は捨て台詞のように「子供でもあそこまで騒がないよ。」と・・・他にも虫歯はありましたが、次の予約の話も出なかったので、その歯医者には二度と行くことはありませんでした。歯医者なんて大っ嫌いだっ!