印象が良い歯医者の言い回し

笑った時に歯茎が過度に露出してしまうガミースマイル。その原因の一つとして、歯茎そのものの状態が関わっている場合があります。歯茎の量が多い、あるいは厚いといった特徴が、歯に対して歯茎の占める割合を大きくし、ガミースマイルの印象を与えてしまうのです。具体的に歯茎が原因となるケースとしては、まず「歯肉の過成長」や「歯肉増殖」が挙げられます。これは、何らかの原因で歯茎の組織が異常に増殖し、歯を覆うように厚く、あるいは広くなってしまう状態です。歯肉増殖の原因は様々で、特定の薬剤の副作用（例えば、てんかんの治療薬や免疫抑制剤、高血圧の薬の一部など）や、ホルモンバランスの変化（妊娠性歯肉炎など）、あるいは遺伝的な要因などが考えられます。また、プラークコントロールが不良で、慢性的な歯肉炎が存在する場合も、炎症によって歯茎が腫れぼったくなり、結果として歯茎が目立つようになることがあります。次に、「受動的萌出不全（じゅどうてきほうしゅつふぜん）」と呼ばれる状態も、歯茎がガミースマイルの原因となるケースです。これは、歯が顎の骨から生えてくる過程（能動的萌出）は正常に完了しているものの、その後、歯茎が適切な位置まで退縮していく過程（受動的萌出）が不完全であるために、歯冠（歯の見える部分）の一部が歯茎に覆われたままになっている状態を指します。結果として、歯が短く見え、歯茎の面積が広く見えてしまうのです。この場合、歯茎自体は健康であっても、見た目としてガミースマイルになります。これらの歯茎が原因となるガミースマイルに対しては、歯肉整形術（歯肉切除術やクラウンレングスニングとも呼ばれる）が有効な治療法となることがあります。この手術は、余分な歯茎を切除したり、歯茎のラインを整えたりすることで、歯と歯茎のバランスを改善し、歯茎の露出を減らすことを目的とします。原因や状態に応じて適切な治療法が選択されるため、まずは歯科医師に相談し、正確な診断を受けることが重要です。