歯を抜いた後、いつになったら普段通りの食事ができるようになるのか、というのは多くの方が気になる点でしょう。抜歯後の食事は、傷の治り具合や痛みの程度に合わせて、段階的に通常食へと移行していくのが一般的です。その回復の目安について解説します。まず、抜歯当日から2〜3日間は、最も注意が必要な時期です。この期間は、お粥や雑炊、柔らかく煮込んだうどん、スープ、豆腐、ヨーグルトなど、流動食に近い、非常に柔らかく刺激の少ない食事が中心となります。傷口に負担をかけず、出血や痛みを最小限に抑えることが目的です。この時期に無理をして硬いものや刺激物を食べると、傷の治りが遅れたり、ドライソケットなどの合併症を引き起こしたりするリスクが高まります。抜歯後4日目から1週間程度経つと、多くの場合、痛みや腫れも徐々に落ち着いてきます。この頃になると、少しずつ食事の形態を上げていくことができます。例えば、柔らかく煮たご飯や、細かく刻んだり柔らかく調理したりした肉や魚、卵料理、よく煮込んだ野菜など、ある程度形のあるものでも、無理なく食べられるようになってくるでしょう。ただし、まだ傷口は完全に治癒しているわけではないので、引き続き、硬すぎるものや刺激の強いもの、熱すぎるものは避けるようにし、抜歯した側とは反対側の歯でゆっくりと噛むように心がけてください。抜歯後1週間から2週間もすれば、ほとんどの場合、日常生活に支障がない程度まで回復し、普段通りの食事ができるようになることが多いです。しかし、これはあくまで一般的な目安であり、抜歯した歯の種類(特に親知らずの難抜歯など)や本数、個人の治癒力、術後の経過などによって、回復のスピードには大きな差があります。例えば、縫合した場合の抜糸が通常1週間から10日後に行われることが多いですが、抜糸が終わったからといって、すぐに何でも食べられるようになるわけではありません。歯科医師は、抜糸の際に傷の治り具合を確認し、食事に関する具体的なアドバイスをしてくれます。最終的に、完全に普段通りの食事ができるようになるまでには、1ヶ月程度かかる場合もあります。特に、骨を削るような難しい抜歯だった場合は、顎の骨が再生し、歯茎が完全に治癒するまでには時間が必要です。焦らずに、歯科医師の指示に従い、自分の体調と相談しながら、徐々に食事内容を元に戻していくことが大切です。
抜歯後いつから普通の食事に戻せる?回復の目安