コンポジットレジンで虫歯治療を受けた後、「これで安心」と油断してしまうのは禁物です。治療が成功したとしても、その状態を長く維持し、二次虫歯を予防するためには、定期的な歯科検診が非常に重要になります。「コンポジットレジンは虫歯になりやすい」という懸念を払拭するためにも、プロフェッショナルによるチェックとメンテナンスは欠かせません。では、なぜ定期検診がそれほど大切なのでしょうか。まず、コンポジットレジンは経年的に劣化する可能性がある材料です。日々の食事や噛み合わせ、歯磨きなどによって、わずかながら摩耗したり、変色したり、歯との間に微細な隙間が生じたりすることがあります。これらの変化は、初期の段階では自覚症状がないことがほとんどです。しかし、歯科医師や歯科衛生士が専門的な目でチェックすれば、肉眼では見逃してしまうような小さな変化や、二次虫歯の兆候を早期に発見することができます。もし、レジンの縁に微細な隙間や段差が見つかれば、研磨して滑沢にしたり、必要であれば部分的に補修したりすることで、本格的な二次虫歯に進行する前に対処できる可能性があります。早期発見・早期治療は、歯へのダメージを最小限に抑え、治療期間や費用も少なく済むという大きなメリットがあります。また、定期検診では、コンポジットレジンの状態だけでなく、口腔内全体のクリーニング(PMTC:プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)も行われます。これにより、日常の歯磨きでは落としきれないプラークや歯石を徹底的に除去し、口腔内を清潔な状態に保つことができます。これは、二次虫歯だけでなく、新たな虫歯や歯周病の予防にも繋がります。さらに、歯科衛生士から個々の口腔状態に合わせた適切な歯磨き方法や、デンタルフロス、歯間ブラシなどの補助清掃用具の正しい使い方についてのアドバイスを受けることもできます。セルフケアの質を高めることは、コンポジットレジンを長持ちさせる上で非常に重要です。定期検診の頻度は、個人の口腔内のリスクによって異なりますが、一般的には3ヶ月から半年に一度が推奨されます。治療した歯を長く健康に保つために、そして「コンポジットレジンは虫歯になりやすい」という状況を避けるために、自覚症状がなくても必ず定期検診を受けるようにしましょう。