口の中にできる「でかい口内炎」は、強い痛みを伴い、日常生活にも支障をきたす厄介な存在です。多くは自然に治癒しますが、中には病院での治療が必要なケースや、他の病気が隠れているサインであることもあります。では、どのような場合に病院へ行くべきなのでしょうか。その目安をいくつかご紹介します。まず、「症状が長引く場合」です。通常の口内炎であれば、長くても2週間程度で自然に治ることが多いです。しかし、2週間以上経っても改善の兆しが見られない、あるいは悪化しているような場合は、専門医の診察を受けることをお勧めします。次に、「痛みが非常に強い場合」です。食事や水分補給も困難なほどの激しい痛みがある場合や、市販の鎮痛剤を使用しても痛みがコントロールできない場合は、我慢せずに受診しましょう。歯科医院や耳鼻咽喉科では、より強力な鎮痛効果のある薬を処方してもらえたり、レーザー治療などによって痛みを和らげる処置を受けられたりすることがあります。また、「口内炎の数が多い、あるいは広範囲に広がっている場合」も注意が必要です。口の中に多数の口内炎が同時にできたり、大きな口内炎が広範囲に広がっていたりする場合は、単なるアフタ性口内炎ではない可能性も考えられます。ウイルス感染(ヘルペス性口内炎など)や、ベーチェット病などの全身疾患の一症状として口内炎が現れることもあります。「口内炎が繰り返しできる場合」も、一度専門医に相談してみるのが良いでしょう。頻繁に口内炎を繰り返す背景には、栄養不足や免疫力の低下、特定の疾患などが隠れている可能性があります。原因を特定し、適切な対策を講じることが大切です。さらに、「口内炎以外の症状がある場合」、例えば発熱、リンパ節の腫れ、皮膚の発疹、関節痛などを伴う場合は、全身的な病気の一環として口内炎が出ている可能性があるので、内科や皮膚科なども含めて受診を検討する必要があります。そして、最も注意すべきなのは、「口内炎の形や硬さが通常と異なる場合」です。なかなか治らない、しこりのように硬い、出血しやすい、境界が不明瞭でじわじわと大きくなるような口内炎は、稀ですが口腔がんなどの悪性腫瘍の可能性も否定できません。これらの目安に当てはまる場合は、自己判断せずに、早めに歯科医師、口腔外科医、耳鼻咽喉科医などの専門医を受診するようにしましょう。