私の舌に、あの赤い斑点とピリピリとした痛みが初めて現れた時の不安は、今でも忘れられません。最初はただの口内炎だろうと高をくくっていましたが、症状は一向に改善せず、むしろ食事のたびに痛むようになりました。市販の塗り薬を試しても、ビタミン剤を飲んでも、気休め程度にしかなりません。原因がわからないまま不快な症状が続く日々に、私の心は少しずつ蝕まれていきました。友人との楽しい食事会も、痛みを気にして心から楽しめない。このまま治らなかったらどうしようという漠然とした恐怖が、常に頭の片隅にありました。そんな状態が二週間ほど続いた頃、私はついに観念して、専門医のいる口腔外科を訪れることにしました。診察室でこれまでの経緯を話すと、医師は私の舌を丁寧に診た後、こう言いました。「仕事はお忙しいですか?最近、よく眠れていますか?」と。図星でした。当時の私は大きなプロジェクトを抱え、心身ともに疲弊しきっていたのです。診断は、過度のストレスと疲労による免疫力低下が招いた舌炎でした。深刻な病気ではないとわかり、心から安堵したのを覚えています。治療として、炎症を抑えるうがい薬と、口内を保湿するためのスプレーが処方されました。しかし、何よりも効果があったのは、医師の言葉によって得られた安心感だったのかもしれません。原因がわかったことで、対処法も明確になりました。その日から私は、意識的に仕事のペースを落とし、睡眠時間を確保するように努めました。食事も刺激の少ないものを選び、処方された薬を真面目に続けました。すると、一週間が経つ頃には痛みが和らぎ、二週間後にはあれほど頑固だった赤い斑点がほとんど目立たなくなっていたのです。完全に元の状態に戻るまでには約一ヶ月かかりましたが、この経験は、自分の体を大切にすることの重要性を私に教えてくれた、忘れられない道のりとなりました。
舌の不調、赤い斑点が消えるまでの道のり