歯ブラシの交換目安は1ヶ月程度と言われていますが、できることなら少しでも長持ちさせたい、あるいは適切な交換時期まで良い状態を保ちたいと考える方もいるでしょう。確かに、歯ブラシの扱い方や歯磨きの仕方によっては、劣化を早めてしまうこともあれば、逆に、比較的良い状態を長く保つことも可能です。まず、歯ブラシを長持ちさせる(適切な交換時期まで良い状態を保つ)ために最も重要なのは、正しい歯磨きの方法を実践することです。特に、力の入れすぎは歯ブラシの毛先を早く傷める最大の原因です。歯ブラシは、鉛筆を持つように軽く持ち、ゴシゴシと力を入れて磨くのではなく、毛先を歯の表面や歯と歯の間に優しく当て、小刻みに振動させるように磨くのが基本です。強い力で磨いてもプラークの除去効果が上がるわけではなく、むしろ歯や歯茎を傷つけ、歯ブラシの寿命を縮めるだけです。歯ブラシの保管方法も、長持ちさせるためには重要です。使用後の歯ブラシは、流水で毛の根元までしっかりと洗い流し、歯磨き粉の残りカスや食べカス、唾液などをきれいに落としましょう。その後、風通しの良い場所で、ヘッド部分を上にして立てて乾燥させることが大切です。湿った状態が続くと、細菌が繁殖しやすくなり、歯ブラシの劣化を早める原因となります。複数の歯ブラシを同じコップに入れている場合は、それぞれのヘッド同士が接触しないように注意しましょう。ヘッド同士が触れ合うと、細菌が移り合う可能性があります。また、歯ブラシキャップを使用する場合は、完全に乾燥させてから装着するようにし、通気孔のあるものを選ぶと良いでしょう。密閉された状態や湿ったままキャップをすると、内部で細菌が繁殖しやすくなります。しかし、いくら丁寧に扱っていても、歯ブラシは消耗品であり、永久に使えるわけではありません。毛先の弾力は徐々に失われ、目に見えない細菌も付着していきます。「長持ちさせる」という意識も大切ですが、それ以上に「適切な時期に交換する」という意識の方が、お口の健康にとってはるかに重要です。どんなに長持ちさせる工夫をしても、毛先が開いてしまったり、1ヶ月以上使用したりした歯ブラシは、清掃効果が低下し、衛生的にも問題が生じる可能性があります。
長持ちする歯ブラシ?交換時期を延ばすコツ