歯を抜いた後は、傷の治りを早め、体力を回復させるために、適切な栄養補給が非常に重要になります。しかし、口の中に傷があるため、普段通りの食事が摂りにくく、栄養が偏ってしまいがちです。ここでは、抜歯後の回復を促すための食事のポイントと、積極的に摂りたい栄養素について解説します。まず、最も大切なのは、バランスの取れた食事を心がけることです。特定の栄養素だけを偏って摂取するのではなく、主食、主菜、副菜を意識し、様々な食品から栄養を摂るようにしましょう。特に、傷の修復や組織の再生に不可欠なのが「タンパク質」です。肉類、魚介類、卵、大豆製品(豆腐、納豆など)、乳製品(牛乳、ヨーグルトなど)に多く含まれています。抜歯後は、硬い肉や魚は食べにくいため、鶏ひき肉や白身魚のほぐし身、卵料理、豆腐などを活用すると良いでしょう。プロテイン飲料なども、手軽にタンパク質を補給できるため、食事が十分に摂れない場合には有効です。次に、「ビタミンC」も積極的に摂りたい栄養素です。ビタミンCは、コラーゲンの生成を助け、傷の治癒を促進する働きがあります。また、免疫力を高め、感染予防にも役立ちます。果物(イチゴ、キウイ、柑橘類など)や野菜(パプリカ、ブロッコリー、じゃがいもなど)に多く含まれています。ただし、酸味の強い柑橘類は傷口にしみることがあるため、スムージーにしたり、他の食材と組み合わせたりするなどの工夫が必要です。「ビタミンA」は、皮膚や粘膜の健康を維持し、免疫機能を正常に保つために重要です。レバーやうなぎ、緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など)に多く含まれています。これらの野菜は、柔らかく煮込んだり、ポタージュにしたりすると食べやすくなります。「亜鉛」も、細胞の再生や免疫機能の維持に関わる重要なミネラルです。牡蠣や牛肉、豚レバー、卵黄などに多く含まれています。これらの栄養素を効率よく摂取するためには、調理法を工夫することが大切です。食材を細かく刻んだり、ミキサーにかけたり、柔らかく煮込んだりすることで、傷口に負担をかけずに食べやすくすることができます。
抜歯後の栄養補給!早く治すための食事のポイント