こんにちは、歯科医師の山田(仮名)です。多くの患者さんを悩ませる「歯と歯の間の虫歯」、いわゆる歯間虫歯について、今回は歯科医院でどのように発見し、どのような治療を行うのかを解説したいと思います。歯間虫歯は、歯の側面、特に隣の歯と接している面にできるため、患者さん自身が鏡で見つけるのは非常に困難です。初期には症状もほとんどないため、歯科検診で偶然発見されるケースが後を絶ちません。私たちが歯間虫歯を疑うのは、まず視診で歯の表面の色がわずかに白濁していたり、黒っぽく透けて見えたりする場合です。しかし、これだけでは確定診断には至りません。そこで重要になるのが、レントゲン検査です。特に「バイトウィング」と呼ばれる、歯と歯の間を撮影するのに適したレントゲン写真は、初期の歯間虫歯を発見する上で非常に有効です。レントゲン写真では、虫歯になっている部分が黒く透過して写るため、歯の内部でどの程度虫歯が進行しているのかを把握することができます。レントゲン検査などで歯間虫歯が確認された場合、その進行度合いに応じて治療法を決定します。ごく初期の、エナメル質に限局しているような小さな虫歯であれば、フッ素塗布や丁寧なプラークコントロールといった予防的なアプローチで進行を抑制し、再石灰化を促すことで経過観察とすることもあります。しかし、ある程度進行して象牙質に達している虫歯の場合は、削って詰める治療が必要になります。歯間虫歯の治療で難しいのは、虫歯になっている部分にアクセスするために、健康な歯質をある程度削らなければならない場合があることです。治療の際には、できるだけ歯を削る量を最小限に抑えるよう努めますが、虫歯の広がりや深さによっては、予想以上に削る範囲が広くなることもあります。削った後は、コンポジットレジンという白い詰め物や、インレーと呼ばれる金属またはセラミックの詰め物で修復します。どの材料を選択するかは、虫歯の大きさや位置、患者さんの希望などを考慮して決定します。もし虫歯がさらに進行し、歯の神経(歯髄)まで達してしまっている場合は、根管治療が必要になります。これは、感染した神経を取り除き、根管内を清掃・消毒してから薬剤を詰める治療で、数回の通院が必要です。根管治療後は歯がもろくなるため、多くの場合、被せ物(クラウン)で歯全体を保護します。
歯科医が解説!歯間虫歯の発見と治療法