歯医者さんを変えることを決意し、新しい歯医者さんを見つけたら、次はその新しい医院でスムーズに治療を開始するための準備が必要です。特に重要なのが、以前の歯医者さんでの治療経過や検査結果などの情報を、新しい歯医者さんにいかに効果的に伝えるか、という点です。適切な情報伝達は、重複する検査を避け、より的確な診断と治療計画に繋がります。まず、可能であれば、以前通っていた歯医者さんから「紹介状(診療情報提供書)」を発行してもらいましょう。紹介状には、これまでの治療経過、主な病名、投薬内容、検査結果の概要などが記載されており、新しい歯科医師が患者さんの状態を迅速かつ正確に把握するための最も有効な手段です。紹介状を依頼する際は、「他の先生の意見も伺いたいので」あるいは「〇〇という理由で転院を考えているので」と正直に伝えて問題ありません。紹介状と合わせて、レントゲン写真のコピーや、歯周病検査の結果、歯型などの検査資料も提供してもらえるようであれば、ぜひ依頼しましょう。特にレントゲン写真は、歯の内部や顎の骨の状態を知る上で非常に重要です。新しい歯医者さんで再度同じようなレントゲン写真を撮影する手間と費用、そして被ばく量を減らすことができます。これらの資料は、通常、有料での提供となることが多いので、事前に費用を確認しておくと良いでしょう。新しい歯医者さんの初診時には、問診票に「他の歯科医院からの転院であること」を明記し、その理由(もし伝えられる範囲で)や、以前の歯科医院名、おおよその通院期間などを記入します。そして、持参した紹介状や検査資料を受付で提出します。診察室では、歯科医師に改めて、転院に至った経緯や、以前の治療で気になっていたこと、新しい歯科医院に期待することなどを、自分の言葉で具体的に伝えましょう。例えば、「以前の歯医者さんでは〇〇という説明を受けたのですが、別の治療法はないか知りたくて来ました」「△△という症状がなかなか改善しなかったので、原因を詳しく調べてほしいです」といった具合です。もし、以前の歯医者さんから十分な資料が得られなかった場合でも、心配はいりません。新しい歯医者さんで、改めて必要な検査(視診、レントゲン検査、歯周病検査など)を行い、お口の状態を把握してくれます。その際、過去の治療歴や自覚症状について、できるだけ詳しく伝えることが大切です。
新しい歯医者さんへ!転院時の情報伝達のコツ