毎日使う歯ブラシ、交換時期が来たら新しいものに取り替えますが、その古い歯ブラシ、皆さんはどのように捨てていますか。「燃えるゴミとしてそのままポイッ」という方が多いかもしれませんが、実は歯ブラシの捨て方にも、衛生面や環境面を考慮したちょっとしたポイントがあります。まず、衛生面から考えると、古い歯ブラシには多くの細菌が付着している可能性があります。特に、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかった後に交換した歯ブラシは、ウイルスや細菌が残っていることも考えられます。そのため、捨てる際には、他のゴミと直接触れないように、ビニール袋などに入れて口を縛ってからゴミ箱に入れるのが望ましいでしょう。これにより、ゴミ収集作業員の方々への配慮や、ゴミ箱からの細菌の拡散を防ぐことにも繋がります。次に、環境面からの視点です。多くの歯ブラシの本体(柄の部分)はプラスチック製であり、毛の部分はナイロンなどの合成繊維で作られています。これらの素材は、自然分解されにくいため、環境負荷を考えると、できるだけリサイクルに回すことが理想的です。しかし、現状では、歯ブラシの素材の多様性や、衛生面の問題から、使用済み歯ブラシをリサイクルするシステムは、まだ一般的に普及しているとは言えません。自治体によっては、プラスチックゴミとして分別収集している場合もありますが、多くは「燃えるゴミ(可燃ゴミ)」として処理されているのが実情です。お住まいの自治体のゴミ分別のルールをまずは確認し、それに従って適切に処理することが基本となります。もし、環境への配慮をより積極的に行いたいと考えるのであれば、いくつかの選択肢があります。例えば、竹製の歯ブラシなど、環境負荷の少ない素材で作られた歯ブラシを選ぶという方法です。竹は成長が早く、持続可能な資源であり、使用後はプラスチックよりも分解されやすいという特徴があります。また、一部のメーカーや団体では、使用済み歯ブラシの回収プログラムを実施している場合があります。これらのプログラムを利用すれば、歯ブラシがリサイクルされ、新たな製品に生まれ変わる可能性があります。インターネットなどで情報を探し、お住まいの地域で利用できる回収プログラムがないか調べてみるのも良いでしょう。